虐待・・・  ( カナコさん / 主婦 )

 

 はじめてカナコさんが、来られたのは10年ほど前でしょうか。

 恋愛のご相談でした。 その後、ご結婚され、子供が生まれ、写真つきの年賀状を、毎

 年、送ってきてくださっていました。

 そのカナコさんから、かかってきた電話は、『子供が、しゃべらなくなって1年が経つ』 と

 いうものでした。

 

  * ご本人の了承を得て、掲載させて頂いています。

 


 

 子供がしゃべらない、いたずらが酷くなっていくのが、止まらない。

 自分でなんとかしようと、頑張ってきたけれど、もう無理。

 最後の頼みのような気持ちで、電話しました。

 

 簡単に事情を説明し、子供を連れて行っていいかと聞くと、子供は連れてこなくても、カ

 ナちゃんだけで大丈夫だと言われ、子供のことなのに、どういうことなのかなって最初は

 思いました。 受けるうちに、その意味が分かって・・・

 

 

  思い通りにならないと、1時間でも2時間でも、延々と泣く。

 隣家との壁の隙間に、物をどんどん投げ捨てていく。

 4歳のくせに力が強くて、電話を投げたり、テレビを台から押して落としたりして潰す。

 おもちゃを、投げつけて壊す。

 今まであったことを、延々と話し続けました。

 

 どれだけ毎日が辛いか吐き出しました。

 もう、こんな子、いらないと。

 

 気が済むまで話をした後、「泣くとき以外は声をださなくなったのは何時からですか」

 と聞かれ、答えるのが怖くて、どうしようかと迷いました。

 話しても大丈夫か、自分の責任だと言われるのではないか・・・・。


 沈黙の中、「大丈夫ですよ」と声をかけられ、やっと「叩きすぎてからです」と答えました。


 うちの子は、しゃべりだすのが早く、1歳にならないくらいの時から、話はじめていて、2

 歳、3歳とうるさいくらい、よくしゃべる子でした。元気もありすぎて、いうことをきかない。

 いうことをきかないと、腹が立って、腹が立って、いつも叩いていました。

 

 そのうち子供の体が吹っ飛ぶくらい叩いていて、ある日、 また手を上げようとしたら、私

 を見てガクガク震えだし、お漏らしをして、それから言葉がでなくなって・・・1年になります。

 

 虐待だと責められるかと、ビクビクしながら、言葉を待っていたら、そのことには触れず

 「カナちゃんの場合は、○○君に半年ほどで、言葉が戻ると思います」って言われ・・・・。

 なんだか力が抜けて、涙がこぼれてきました。

 

 「そうなるには、そうなるだけの理由があるから、その理由を一緒に解決していきましょ

 うね。子供は、あなたが変われば、自然と話すようになります」って・・・・。

 

 本当に私は変われるのか、子供に言葉が戻るのか、自信はありませんでしたが、やれ

 るだけやってみようと思いました。

 

 カウンセリングを受けた後は、宿題がでるのですが、何に繋がっていくのだろうと思うほ

 ど簡単なものばかりでした。 

 

 初めの1〜2ヶ月は、何も変わったように感じられず、相変わらず叩いては、真結美先生

 に辛い辛いと電話していました。

 

 それが3ヶ月くらいすると、いたずらがなくなってきたんです。

 次のセッションの時、喜んで報告しました。 

 すると、今まで「こうしてください」とか、言われたことがなかったのですが、今度いたずら

 をし始めたときはって、初めて具体的な指導をもらいました。

 順調に変われているのかと、嬉しくなりました。 

 

 また、いたずらが始まり、教えてもらった通りにしていると、いつの間にかなくなり、かわ

 りに、お手伝いをしてくれるようになったのが不思議でした。

 

 5ヶ月を過ぎた頃、独り言のようですが、言葉も少し。

 アニメを見ながら、何か話しているようで、「何て?」って聞き返しても答えてはくれません

 が、キャラクターの名前なのか、確かに何か言っているのです。

  

 叩くことがなくなってきた自分、そして、まとわりついてくるようになった子供。

 嬉しい反面、また元に戻ってしまわないか、心配も出てきました。

  

 次のセッションで質問すると、一見同じに見えることでも、その場だけで終わる変化と、元

 には戻らない変化の違いを説明してもらえました。

  

 真結美先生に「よくしゃべる子といると、ちょっと静かにしてと思うことない?」って訊かれ

 「それも、ちょっとイヤかな」と言うと、「今からそうなるので、覚悟してて下さいね」って

 笑うんです。まだ返事をすることもないのに、何を見てそんなふうに言うのか不思議でした 。

 

 そして、本当にきた、そんな日。

 5ヶ月目の独り言のような言葉から、ポツリポツリ片言の会話になり、7ヶ月目には気づい

 たら一緒に話していてということが増えていて、もう本当に大丈夫なんだと思えました。

 

 子供を連れてこなくても、大丈夫だと言われた意味が、やっと分るようにもなりました。

 悪いことをしてはいけない、隣家に迷惑をかけてはいけない、叱れば叱るほど、酷くなって

 いく。


 真結美先生のところにくる前にも、子供のしつけを教えてくれるところに連れて行き、数日

 おとなしくなったかなと思っても、すぐぶり返し、手をあげないようにする気持ちの持ち方な

 ど教えられても、気づけば叩いているの繰り返しだったのに。

 

 真結美先生は一度も、私に叩くなと、言ったことなくて。こう考えましょう、こうしなさいも言

 わない。なのに、なりたかったようになっている。

 

 どうしてなのか聞いてみると真結美先生は、「私はカナちゃんに、はっきりものを言うこと

 もあります。けれど怒ることはありません」って。 叱ることと怒ることの違い。自分の感情

 の、意味や動きなどを説明してくれました。

 

 まだ、自信はありませんが、なんとなく分かるようになったと思います。

 
 どうしたらいいの、どうしたらいいの、ばかり考えていたのが、嘘のようです。

 真結美先生、ありがとう。